柔道観るなら「組み手争い」を見る!(その3)

柔道観るなら「組み手争い」を見る!(その3)

YouTubeチャンネルにアップロードした「柔道観るなら、組み手争いを見る!⑥と⑦の完全版「柔道の基本技と寝技」です。

The version with English subtitles will be available soon.

柔道編その2では、柔道選手の試合中の「狙い」について教えていただきました。

柔道編その3では、柔道の基本技と、少々マニアックな寝技について、再び了徳寺大学職員柔道部の山田利彦部長兼総監督に伺いました。

柔道編⑥「柔道の基本的投げ技」

主要技①:背負い投げ

主要技①:背負い投げ(技の連携)

そのまま背負投をかけても相手がわかってる場合はなかなかブロックされてしまいますので、その前に一回小内刈で後ろに相手の体重を動かせて、

どうしても動かされると、体って戻ろうとしますので。そこに、戻るところのリアクションをうまく使いながら背負投に入る、というところになります。

技をゆっくり目にかけていただきました

ここで後ろに行って戻る

ですね。なのでこれも対の技。先ほど言ったところにもつながるところなんですけども、こうした形で前後の技があれば非常に効果的であるということになります。

主要技②:払腰

主要技②:払腰(技の連携)

これが少し、そのまま止まったところではなくて、先ほどのような、少し回転を使いながらの払腰。

体を、体捌き、さっきのように少し…足車にはならないようにね、払って、という形ですね。こうした形で、うまく、相手の真っ直ぐ、そのまま待っているところにかけるんじゃなくて、相手に少し、いつ来るかわからないような形で動いての攻撃です。というのも、非常に効果的になります。

主要技③:内股

主要技③:内股(技の連携)

大内刈からトントンと後ろに行って

体重をかえていくやり方ですね

主要技③:内股(技の連携その2)

後ろから、後ろにやっていって

で、これも内股の連続技

内股から他の技への連携

さっきのような、内股が来るって分かっているので相手が腰を切った場合ですね。腰を落として、そうしたら谷落とか(に切り替える)っていう。腰を、ケンカ四つの方がいいですね。

こういう形で内股に来るって(ことを相手)がわかったら後ろに。

主要技④:体落

主要技④:体落(技の連携)

そうそう、で、こっちの足を牽制しておいて

で、前に持ってくる

主要技⑤:大外刈

主要技⑤:大外刈(技の連携)

ここで支え(支釣込足をかけて、相手の重心が)前で

相手が起きるところに

大外刈から他の技への連携

長谷川先生が、もう大外刈を来るのは(わかって、)足を下げて

ですね。我慢する。我慢するので、そのままかからないので相手が引くところ…

(このような形)ですね。この場合重心を、(足を)後ろにこういう形で持ってきて、前に若干かけますので、重心(を)。というか、足を下げて若干前、

こうなると体が投げられてしまう方に行ってしまうので

そこのところをコントロールしているのに、そのまま今度前に動かされてしまうので、非常に効果的なコンビネーションになります。

主要技⑥:隅落

最近の、よく決まり技に多い「隅落」ですね。前にそのまま、どちらかというと「浴びせ倒し」のような形にはなるんですけれども、相手が来たところに体捌きをうまく利用して、大外刈を来たところに、隅落で。

例えば相手が支釣込足なんかに来たところを止めてそのまま押し倒す。

これも隅落になります

主要技⑥:隅落(別の連携)

ここ、相手が例えば払腰をかけたところをうまく体捌きを利用して相手の体を押し倒すという形ですね。

なので柔道の技っていうのは最後に決まった形とかで非常に技名が変わったりもしますので、どこを持ってるかっていうのもあるのですけども、今のような形で、一般の方ですと、一番わかりやすいのは押し倒したような形が「隅落」という形ですね。になります。

柔道編⑦「寝技は『知恵の輪』?」

まずは一番最初に、一番いいのはそこに入れさせない

長谷川先生はここを持たさない。で、ここに時間がかかってしまいますと「待て」がかかりますので。ですね。

あとは今度金丸先生が後ろから、で、例えば相手の襟を持って回して返したい、「ネルソン」とかで返したいなっていうところ。これで両方持っててそのまま回して、相手を横に回してローリングしながら返す形ですね。

これも「ネルソン」という言い方を使っているのですけれども、これも金丸先生は長谷川先生の両襟を持てたら回せるんですけども、ここを長谷川先生としたら、持たさない。

Q:それは今は見にくいですが、青(長谷川選手)が下で防御しているということですか?

この下でどうしてるかと言ったらそこで閉めてですね。

ここにスペースをなくして、ここが持てない。

Q:脇と襟の部分ですね?

はい。で、じゃあここだけこうしますと、今度首を狙われますので。

Q:手は首を守っているのですね?

はい、首と合わせて両面でここをコントロールされないように閉める。

これが完全に閉まってしまうと、もちろんそこをいろんな形でこじ開ける技術はあるんですんですけども、なかなかあまりそこに時間がかかってしまうと、今のルールですと寝技は「待て」がかかりますので。ですので、一番寝技で本当に非常に寝技のうまい選手のところ、見てもらうところでは立技からの寝技への移行が非常に速いですね。

例えばこれで、相四つで金丸先生と、で、金丸先生が襟は持ちたい、襟を持っての勝負がしたいというところで支え(支釣込足)で一回振ってもらって。そうしたら、これでバタンと倒れます。

で、このまま持ったまま、そこから今度絞めに、こう絞めてますね、絞めたりとか。

これを使いながら、持っているところを使いながら押さえ込みに行ったり。それから送襟絞ですね。このまま、絞めの方に回して。

だから、これも先ほどの対の技っていう形で話をしましたけれども、自分の立技の得意な形と、そこが相手をかけて潰れたところの寝技への移行がつながっていればより効果的になります。

なかなかそう簡単ではないんですけども、そういったところもあれば非常に効果的で、例えば横崩しなどをやる選手、私もまあそうだったんですけども、このまま横に崩していって、持って、このまま押さえる。

重量級なんかによく見られるテクニックなんですけども、ここがつながっていると、わざわざここをこじ開けて持つ必要がないですので、そういったところでの技のつながり(が重要です)。立技と寝技のつながり、また、もう潰れて、相手が先ほど長谷川先生がやったように、がっちり閉まってしまうとなかなか難しいんですけども、

閉まる前にいかにそこを持てるか。この一瞬の攻防っていうのは、多分本当に注目してないとやはり見えない思うんですけども、そこら辺が非常に、寝技で押さえ込んだり絞めたりできる選手は速いんですね。そこなんかが非常にポイントになると思います。試合を見るところなので。

Q:寝技に長けた選手は、狙って襟を持ち続けたりすることもあるのですか?

(それ)を、(それ)もやったりします、はい。

例えばさっきの横崩し一つにしても、これで(倒した方向が)こっちで、金丸先生が、今言ったように、今持ってるのは右手ですので、反対側にこれだと、向こう側に横崩ししていくんですね。

こういう形になるんですけども、もし金丸先生がこっち側の崩し方の方が得意だったら繋がらないんですね。

Q:持っている襟が使える回転と反対方向になってしまうわけですね。やはり同じ方向になるように練習するのでしょうか?

そうですね。なのでそこもつながるように、どっちが得意かというところも考えておくと、よりいいと思います。でももう今度、寝技の場合は相手がわかってると完全に防がれて持たれない。持てないとやっぱり非常に、もう効果が出ないので。そういった時に、そうされたら今度はどうするかという知恵の輪のような形でよくみんな技を作ったりします。

これで、このまま返して

よく加藤(博剛)選手ですね、全日本チャンピオンの加藤選手がよく使いますので「加藤返し」という形で通称言われてるんですけども。

※加藤博剛選手の「加藤返し」の動画はコチラ⇨https://www.youtube.com/watch?v=HLy3R03B-Xk

例えばこの形に行く場合、ここ、入れられてしまうとなかなかもうこうなったら厳しいんですよね。もちろん体重移動でブロックはできる、ですのでこういう形でブロックし合うことができるんですけども、お互いにその反応、相手が防ごうとしたところにいかに合わせていくかというようなことも、寝技では知恵の輪みたいなものなのでやりあったりしています。

Q:寝技の達人の加藤(博剛)選手でも、しっかりと防御姿勢を取られたら攻略するのは簡単ではないのですか?

簡単にはいかないですね。なので(寝技では)なかなか百発百中っていうのはそうないんですけれども。よく金丸先生が試合した中村兼三先生ですね。オリンピックと世界(選手権)チャンピオンの三角(絞)。みんな分かってはいるんですけれども、やはり非常に強烈だったのは、あそこのそこの形で絞めのところの非常に強さと、そこに入れるまでのスピードも非常にあったんですね。で、一回入ってしまうと非常に手足が長いですし、その強烈なロックがあるのでそこはよく、非常に効果的だったと思います。

濵田尚里選手ですよね。この前のオリンピックで優勝した濵田尚里選手も、相手もわかってはいるんですけどもそこへの連携が非常にうまいですし、力も強いんですよね。そういったところでもう相手が本当、立って逃げるくらいしても仕留めるというところがありますね。

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