YouTubeチャンネルにアップロードした「馬術観るなら、人馬の連携を見る!」①ー1から3の統合版「馬術の基礎知識」です。
パリオリンピックで馬術の日本代表チーム「初老ジャパン」が実に92年ぶりにメダルを獲得しました。
今回はアトランタ(1996年)とシドニー(2000年)のオリンピックに馬術の日本代表として出場され、またリオデジャネイロ(2016年)と東京(2021年)のオリンピックでは代表監督を務められた、八王子乗馬倶楽部の細野茂之倶楽部長に馬術の面白さについて伺いました。
ぜひ馬術をご覧になる際にご活用ください。
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パート①−1 馬術の6種目
馬術について大きく分けると6つと言われてますけども、競技としてはね。
一番よくご存知なのは多分「障害馬術」。これはスタジアムの中で障害を飛越して、バーを無過失で飛んでくるという、そういうの(=競技です)。
そして次に馬場馬術。馬場馬術というのは、障害馬術と違って障害物を飛び越えるわけではなく、どちらかというと、単純にいうと美しさを競うような種目です。規定された項目をミスなく行い、なおかつ芸術性だとか美しさを競うというようなことです。
そして総合馬術。これは皆さんもご存知だと思いますけれども、パリオリンピックの時に「初老ジャパン」が団体で銅メダルを取った種目ですけれども、スキーの(ノルディック)複合競技のような、先ほどお話しした馬場馬術競技と障害馬術競技。それに併せて自然の中を、自然の障害物を走破するクロスカントリー競技。この3つの合計の成績で争うのが総合馬術競技となっています。
これが大きくオリンピックで行われている3種目なんですけれども、それ以外にも「軽乗(競技)」と言いまして、馬の上で行う体操みたいなものですね。はい。逆立ちしてみたりですとか手を離して倒立、いろんな技があるんですけれども。そういうの(競技)もあります。
あとそれ以外には「馬車競技」。馬車で馬を御しながら(馬の)コントロールができているのか。また(馬車で)走破する、障害物を走破するなんていうのが、馬車競技としているのがあります。
それとあとエンデュランス競技ですね。これはもう車のラリーのように、障害物を飛び越えるとかではなくて長い距離を、一番長い世界選手権などでは160kmくらいを1頭の馬と1人の選手で走破すると(いう競技)。(コースの)途中途中にクルーがいて馬の健康状態をケアしたりですとか、チェックポイントがあってですね。そんなのがエンデュランス競技と。
大きくこの6つの競技。この6つの競技に関しては(馬術の)世界選手権で行われているというような状況です。
パート1−2 オリンピックで行われる3種目
障害馬術
Q:障害馬術は比較的我々が目にすると思いますが、どのような競技なのでしょうか?
そうですね。単純に言ってしまいますと、スタジアム内に設置されている障害物。これがほぼバー。あの横木といいますけれども、木のバーで構成されているわけですけれども。これを落としてしまうと減点4点。またこの障害物に対して(馬が)嫌だなと思って拒止してしまうと、これもまた減点4点というような感じで。2回拒止があると失権。それ以上先には行けない。

そんなルールです。ですので全くバーに触れず、なおかつ一番早いタイムでゴールを切った者が勝者というような。ちょっと単純ではありますけれども、簡単に申し上げるとそんなルールです。
馬場馬術
Q:馬場馬術は美しさを競うということでしたが、どのような点を審査されるのですか?
そうですね。馬の動きは常歩(なみあし)と速歩(はやあし)と駈歩(かけあし)と大きく分けると3つの動きがあります。そのまた3つの動きの中でもやはり、ここではすごくゆっくり歩かせたりですとか、また歩幅を大きく伸ばしたりですとか。

あと(馬が描く)図形の正確さ。それはやはりライダーの「扶助」(ふじょ)と言って合図がどれだけ馬に正確に伝わっているか。こういうところは規定(演技)で審査されます。
それプラスやはり動きの優雅さですとか、雄大さですとか。あとやはり音楽と合わせる自由演技などという競技もあるんですけれども、やはりそういう芸術的なハーモニーだとか、そういうのを採点競技として審査員が採点する。これが馬場馬術ですね。
Q:そうすると人馬の連携は馬場馬術では高いレベルで求められそうですね?
そうですね。おっしゃる通りでやはり採点競技ですので見ている者を魅了することは必要なんですけれども、そのためにはライダーと馬との「人馬一体」ですとか。
またこの馬場馬術に関しては、じゃあどういうの(=演技)が優れているかというと、あたかも馬が自分でダンスを踊っているみたいな、馬が気持ち良さそうに、楽しそうに演技しているというのがこれも大きな加点のところになりますので。そういうところがいわゆる人馬一体の極限かと思いますね。
Q:そうすると馬場馬術においてはライダーの指示が目立たない方が望ましいのですか?
そうですね。上手な選手になりますと、本当にいつ合図を、扶助を出したのだろうってわからないようにやるのが上手な人。どちらかというと上手でない、ビギナーとかですと、やはり(扶助が)大きな動作になってしまって、馬の上で。逆にそれによってバランスが崩れてしまったりして、馬に正しく(指示が)伝わらなくて減点になってしまう。そういうことも見受けられます。
総合馬術
Q:障害馬術、馬場馬術にクロスカントリーを加えて総合馬術となる訳ですね?
そうですね、はい。基本的には馬場馬術競技を初日に行いまして、そして距離の長いものであると2日目にクロスカントリー、3日目に障害馬術を行うんですけれども、短い場合にはクロスカントリーを後にして、障害馬術を2番目に行う場合もあります。
パート①−3 世界選手権で行われる3種目
軽乗競技
(参考動画= https://www.clipmyhorse.tv/en_EU/academy/lesson/1cd7ec5b605bdbae24589d7f4d5ea220)
Q:「軽乗競技」はあまり目にすることがないと思いますが、どのような競技なのでしょうか?
軽乗(競技)というのは御者がいまして。馬に乗っていない人が綱をつけて、馬に綱をつけて、馬を一定のペースで円を描かせています。(馬に)紐がついている状態。その状態で人数が、何人かの選手がいるんですけれども、その選手が代わる代わる馬に飛び乗ったりだとか、(馬の上に)立って手を離したりだとか、逆立ちをしたり、回転したりだとか。

なかなか日本では見る機会は少ないと思うんですけれども、日本でもある乗馬少年団などでは、やはり本当に体操競技、器械体操みたいなものですので。体の柔らかい小柄な子たちが練習して、そういう軽乗(競技)というようなものを披露する。そんな少年団もありますね。
世界選手権なんかで出てこられる方はやはり本当に、体操の選手が馬を使って体操をしているみたいな、そんな競技ですね。
Q:馬に飛び乗るとなると馬のストレスにもなりそうですね?
まあただやはりでも(馬に)飛び乗ると言っても、馬が驚かないように飛び乗るのもこれもまた技術の一つで。それで馬の動きが乱れてしまうと次の演技に関わってしまうので、馬を驚かさないように静かに、かつ飛び乗るというようなこれも多分技で。かなりの技だと思います。
馬車競技
(参考動画= https://www.clipmyhorse.tv/de_DE/ondemand/event/15516/competition/398730?start_at=15570037)
Q:馬車だと障害は飛び越えられませんが何を競うのですか?
そうですね。あと馬車競技、はい。馬車競技は4頭立てですとか。4頭の馬をコントロールしたりだとかするんで非常に技術も必要ですし、また馬もたくさん必要ですので、まあ馬術競技の中でも高価だと言われています。
またその馬車自体も、馬車にはエンジンはついていないですけれども、外国の高級車と同じくらいの値段がするらしいですから、非常に馬術競技の中でも高価な(競技)。非常にお金のかかるところかと思いますね。
Q:そうすると馬車競技はいくつかの競技を合わせたもので競っているのですか?
そうですね。(障害を)飛びはしないんですけれども、スラロームをしたりですとか、決められた地点を曲がったりですとか。スピードを出したり、逆に減速をしたりとか。そういう馬車競技でもいわゆる総合馬術みたいに、そうやって美しさと。あと悪路を走ったりだとか。そういうのを混ぜた競技になってたりしていますね。
おそらく今世界選手権でやっているのは本当に総合馬術みたいに、地点地点を正確に回っているかっていうのを審査するの(=競技)と。あと悪路を走ってそれを競うっていうのと。あとまたやはりスタジアム内にそれこそ玉が置いてあって、その玉をタイヤで当てて落としてしまったりだとか、ぶつけたりしないような。要は障害物競走じゃないですけど。そんなのを組み合わせた競技になっています。はい。
エンデュランス競技
Q:エンデュランスとはどのような競技なのでしょうか?
エンデュランス(競技)は本当に距離を、非常に長い距離を、馬の健康を気遣いながら走破する。やはり砂漠の方で、結構中東の国が力を入れていたりですとか。まあヨーロッパでも、フランスなんかは山岳地帯の方では結構エンデュランスが人気があったりしますね。
Q:エンデュランスではどのくらいの距離を走るのですか?
そうですね。160kmの、世界選手権では160kmの距離をどれだけ早い時間で帰ってくるか。ただ、ただただ(闇雲に)走らせてしまうと馬が疲労してしまう。途中途中でやはりチェックポイントで獣医検査がありますので。馬がいかに健康な状態で最後まで走破して。それで(走破タイムが)早い方が上位というような競技ですね。
Q:160kmをどのくらいかけて走破するのですか?
おそらく1日くらいかけて走ってくると(思います)。はい。それでやはり(馬の面倒を見る)クルーがたくさんいて、本当(車の)ラリーじゃないですけど、馬のケアをして。チェックポイントチェックポイントで馬を冷やしたりですとか、(馬の)体を労ったりする。そういうようなクルーも一緒に帯同して(競技を)やるような、(エンデュランス競技は)本当に車のラリーの走りみたいなものです。
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