アメフト観るなら「攻守のじゃんけん」を見る!(その8)

アメフト観るなら「攻守のじゃんけん」を見る!(その8)

YouTubeチャンネルにアップロードした「アメフト観るなら、攻守のじゃんけんを見る!」⑧ー1と2の統合版「サイドラインの考え方(オフェンス(OF)の対応)」です。

アメリカンフットボール編⑦では、アメリカンフットボールの試合でのディフェンス(DF)の仕掛けについて教えていただきました。

アメリカンフットボール編⑧では、オフェンス(OF)側の対応について、今回も桜美林大学アメリカンフットボール部「スリーネイルズクラウンズ」前監督の関口順久さんに伺いました。

パート⑧−1 プレーが崩れた時

そういった形でディフェンス(DF)は、オフェンス(OF)の目をなるべく眩ませるような作戦をとってくる訳ですけれども、それに対してOF(は)どうするかというところで言うと、一番OFとして嫌なのはやっぱりクォーターバック(QB)にプレッシャーがかかっちゃうことだと思うんですね。この位置で基本的にボールを投げるとっていうのがQB(の)基本なんですけど。

例えば(DFが)5人でラッシュしてきて、1人がやっぱりフリーで入ってきますよと。QBはサックを避けるために、そのポケットの外に出てパス(を)投げなきゃいけない、もしくは自分で走らなきゃいけないという風になると思います。

でやっぱりすごく運動神経が良くて、足の速いQBだったら、多分自分で(ボールを)持って走るっていうのが一番有利だし、ターンオーバーの危険も少ないし。っていうので(走ることが)多いと思いますが、多くのQBはそこまで走力(が)なかったりするので、じゃあどうするかっていうと、大体チームによってですね、レシーバーが、QB(が)スクランブルに出た時は、どういう風に対応しようかというのが決まっていることが多いです。例えば奥にいるレシーバーは戻ってきましょうとか、手前のレシーバーは逆(サイド)に動きましょうとか。

逆にいうと逆サイド、スクランブルに出たのと逆サイドの奥のレシーバーはどんどんQBの視界に入るようなところに入ってきましょうとかですね。

本来であればここにQBがいるんだったら、俺ここ来た時にボール飛んでくるはずなのに飛んできてねぇなっていう時は(レシーバーは)QBを探すんですよ。あれって言って。あぁなんだよ(QBは)ここにいるじゃん。じゃあ俺もっと奥(に)行っちゃおうかなとか、手前(に)戻ってきて(QBを)助けてあげようかなとか、この辺はもう(チーム内で)決まってるルールで、それを淡々とやるって感じですね。

こういった形でなるべくスクランブルに出てる中で、早くボールを放せるように、ルールなんかで決めてるチームが多いと思います。

こういったことでDFが勝負してきた時に、例えばこういう所で崩れたプレーで絶対(DFはパスを)投げられたくないんですよ。何でかっていうと1対1でここ(を)守るのってすごい大変だし、そうするとここでボールを投げられないために(QBに)、なるべくプレッシャー(を)かけるのっていうのは結構重要なことです。

そうするとパスカバーした人がQBにタックルに行くのか、このタイミングを決めてるところがあるんです。例えばこのQBがポケットの外に出たらそっちサイドのラインバッカー(LB)はもう(タックルに)行きますよということにして、あとは後ろの選手はとにかくレシーバー(を)探しましょうと。後ろ(は)どんどん(レシーバーに)つこうよ、ということで対処してるチームが多いんじゃないですかね。

(プレーが)崩れることによってDF(は)守りづらくなっていくので、そこはOFにもチャンスがありますよということなので、だから(DFが)仕掛けてきた時はフットボールの面白さがちょっと増すかなというところがありますね。

パート⑧−2 オーディブル

まあオーディブルはわかりやすくて、比較的。例えばオフェンス(OF)はこういうディフェンス(DF)でくると思ったんだけど、すごいブリッツ入れてくるんじゃないかなって思って、みんなマンツーマンで後ろは守るんだろうなと思ってたんだけど、意外とおとなしくゾーン(ディフェンス)で来たぞとかですね。もしくはいやこのシチュエーションでブリッツ来ないと思ってたら、明らかにブリッツの構えだぞとか。

何かしら想定してたことと違う、もしくは例えば(DFが)このつき方で来たら、もうこのプレー絶対やるよって決めてる時は、そのプレーを出すし。だからどういうルールにしてるかはそのチームによるんですけど、いやー想定してたDFとちょっと違うので来たなというと、じゃあこのDFに対しては何が有利かっていうので、(OFは)受身的に(プレーを)変えると、っていうのはあると思います。

でストロングサイド、フィールドサイドに(DFの)人数増やされてるな、右のランばっかりやってたからな(っていう)ことがあるのであれば、いやじゃあ今度こっちのランやろうっていうことになるんですよね。

単純にそれは人数が少ない方、有利な方で展開しようっていう話で。あとはもう前面強調でもうみんな(DBが)こうなんか(最前線に)来てるよねっていうのだったら、じゃあ全員裏に行って空いてるレシーバーめがけてパス狙おうっていう時もあるし。まあこれは考え方、発想、あと相手にとって一番何が嫌かっていう考え方によりますね。

Q:オーディブルではどのような変更が多いですか?

(攻撃の方向を)左右逆にするのは多いと思います。DLのつき方で(攻撃を)左右逆にするとかっていうのは多いですね。だからOFとしてはバランスの取れたフォーメーション、片方5.5人片方5.5人みたいなのは、DFとしては一番嫌なんです。こっちに人数集めてみたら、わあなんかこっち上がると逆に(DFが)ものすごく少ないよってことになるので。

だから例えばですけど、こういうフォーメーションがあるんですけど、これ(DFの)チームの考え方で(OFの)人数(の)多い方をストロングサイドにしてる場合があるんですね。(OFの人数が)一緒だったらフィールドサイド、広いサイドをストロングサイドにするところもあるんですね。例えばこういう風に(ポジションに)つくと、ランのギャップは左の方が多いんですよね。だけどじゃあ人数で見てみると(左右同数で)イーブンなんですよ。

じゃフィールドサイドを、こっち側をストロングサイドってDFがすると、今度こっちのランプレー(を)やられたら(DFは人数が少なくなる)。だから(OFが)バランスの取れたフォーメーションでつくとDFは比較的嫌がりますね。

Q:オーディブルでプレーを変更する時には、QBは自分で思った通りのプレーに変更できるのですか?

いやもう(事前にチーム内で)決めてます。自陣深い所で(DFが)これ来たらこれで逃げようとか、このシチュエーションでこれ来たらこれで対応しようとか、っていうカードをいくつかQBに渡しておいて、でもそのカードの中でどれ(を)切るかは、結構QBの力量もありますね。

OFは保守的なのでこれで(全部と)決めて、これで決めるからなって全員(で)共通項(を)持ってた方が間違いがないし、プレー(を)変えても。一番嫌なのはプレーを変えた時に間違える奴がいるのが一番嫌なんですよ、アサインメントを間違える(選手)。そうするとパスラッシュ(が)平気で漏れてきたりとか。こういったことで(攻撃の)機会を失うのは一番嫌なので。

なるべく選択肢(を)少なくするっていうのはいいんですけど、選択肢(が)少ないっていうと今度カードが減るっていうことで、できることが限られてきちゃうんで、そういったあたりでどれが一番確率的にいいかなっていうのを考えながらやってる感じですね。

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