ホッケー観るなら”サークル”を見る!(その2)

ホッケー観るなら”サークル”を見る!(その2)

YouTubeチャンネルにアップロードした「ホッケー観るなら、“サークル”を見る!」③と④の完全版「ホッケーの試合の流れとスティックワーク」です。

The version with English subtitles will be available soon.

ホッケー編(その1)では、ホッケーの基礎知識を学びました。

今回は、公益社団法人日本ホッケー協会ご協力の下、男子ホッケー日本代表チーム(サムライジャパン)コーチの山下 学さんにホッケーの試合の流れと独特なスティックワークを教えていただきました。山下さんは東京2020大会にキャプテンとして出場された方です。

本動画作成にあたっては、日本ホッケー協会の皆様、特にサムライジャパンの髙橋 章ヘッドコーチには多大なるお力添えを頂戴しました。厚く御礼申し上げます。

ホッケー編③ ホッケーの試合の流れ

試合時間

試合時間は15分の4クォーター、1クォーター目が15分、で2分休憩して、2クォーターが15分。で、その2クォーターと3クォーターの間はハーフタイムで10分。で、また3クォーターが15分、で2分休憩して4クォーターが15分っていうような形になってます。

Q:2分しかない休憩時間は何をしているのですか?

そうですね、2分しかないので相手がどう来てるかとか、もうちょっと、自分たちが「こうしよう」というような話を簡潔にしています。

やってる選手たちがなかなか気づかないところをコーチが見つけて、相手が例えば右サイドが弱点であれば「右サイドから攻めろ」っていうようなアドバイスをすると、やっぱりそれがしっかりと実行されればかなりチャンスが多いかなっていう風に思います。

ホッケーの試合の流れ

試合が止まるのはゴールを決めたとき、もしくは「ペナルティコーナー」になったとき、「ペナルティストローク」になったとき、あとは反則があってカードが出されたときっていうのも止まります。先ほど説明した、足に当たったりとか、スティックを叩いたりしてしまっても基本的には時間が止まらずにそのままプレーされます。

試合は「センターパス」、自分たちのボールであれば基本的には後ろに下げたりするんですけど、ボールを前に出すことも可能です。ただ人は行けません。

※センターパスを行う者以外のすべてのプレイヤーは、 センターラインよりも自分たちが守るべきゴール側自陣内にいなければならない。 (公益財団法人日本ホッケー協会「ホッケー競技規則」より)

後ろは大体ディフェンダー(DF)が4枚こういったような並びで、返して、フォワード(FW)の選手が引っ張る。引っ張ってって、ミッドフィールダー(MF)の選手も少しアップしていって、で、ボールを回して、中盤を使ってパスを回したりとか、オーバーラップしてDFの選手が動いて、入れて、みんながこういう風に…っていうのが基本的なゲーム展開になります。

その中でボールを奪われるとターンオーバーされるので、この、みんなが帰って守ったりとか、っていう風になります。

組み立て方は本当にサッカーの戦術を手本にしてやるチームもあったりするので、サッカーが詳しい方が見てもらうと面白いなっていう風に思います。

攻撃のセオリー

攻撃のセオリーは「右サイドからの攻撃」っていうのがスタンダードになっていると思います。

その中で後ろが4枚でよく回すんですけど、この中から右サイドの選手を上げる。で、右サイドの選手を上げてボールを回して、右サイドで数的優位な状態を作って攻めて行くっていう事がホッケーでは多く見受けられます。

その中で中盤の選手を使ってパス回しをして、で、サイドバック(SB)だったりとかFWの選手、さらにMFの選手をよりサークルの近く、得点のチャンスがあるところに押し上げていって、最終的にはもちろんSBからサークルに入れたりとか、中盤の選手がサポートしてきてサークルに入れるっていうような右からの攻撃、数的優位を作っていくっていうのがホッケーでは見受けられます。

サッカーであれば相手DFがいればオフサイドがあって、前には、スペースはあるんですけど行けないんですけど、ホッケーはオフサイドがないので、積極的にFWが引っ張ることによって相手DFのDFとMFとのラインが引き伸ばされて空間がたくさんできて、そこを間を縫ってパスだったりとか、ドリブルをして攻めていくっていうのがホッケーの醍醐味かなっていう風に思います。

ついて来なければ逆に、球が速いので、そこに合わせてあげると簡単に相手のライン、DFラインを越すことができます。

ホッケー編④ ホッケーのスティックワーク

スティックワーク① ドリブル

スティックをこう、フォア側しか使えないので、こうやって持つんですけど。どうしてもずっと右側に行けばいいという訳ではなくて、やはり右も左も行かないといけないので、基本的には面を、右手は基本的には添えてるだけで、手首を回します。

手首を回すことによってリバースの面を平らにすること。フォア、左、右、左。こういう風に基本的にはドリブル。

あとは相手のスティックがこう置いてあれば浮かす。浮かして相手のスティックをかわしていくっていう技術があります。

スティックワーク② ヒット

ヒットはゴルフのように打つ訳ではないんですけど、フォームは一緒で、こういう風に、フォームはこういう風に打ちます。

このスイートスポット、ここに当てることによってかなり強いボールが打てます。これがホッケーをやる上で一番強いストロークになります。これは膝より上に上がると反則です。基本的には人がいれば反則なので。

ただこのストロークで使うことが多いのは、やっぱりサークルに強い球を入れたいっていうときにこのヒットのスキルを使ったりとか。あとはシュート、サークルの中に入ったときにシュートを打つときにこのスキルっていうのはかなり多く使われます。

正直ミスの多いスキルでしっかりと、自分の(スティックの)いいところ、スポットに当てないと浮いてしまうっていうのが弱点でもあります。

スティックワーク③ スイープ

スイープはかなり姿勢を低くして、手の指が(ピッチ面)ギリギリになる。これがスイープになります。

このストロークはDFのラインでかなり多く使われます。

ヒットよりも安定して強い球を打てるので、わりと試合で見てる中ではかなり多いストロークにはなると思います。シュートもたまに、わざと浮かすために使ったりもするんですけど、基本的にはDFの選手が結構使う用途が多いです。あとはさっきのヒットよりも当たる面が広いので、ミスが少なく出せるっていうところで、ホッケー選手はみんな使うことが多いと思います。

綺麗なボールかつ狙ったところに打つことができるんですけど、このバックスイングがかなり大振りなので読まれやすいっていうのも一つあるかなっていう風に思います。

スティックワーク④ プッシュ

プッシュは「押す」っていうところで、左手を出して右手で押す。これがプッシュです。

これは基本的に一番多いストロークで、ドリブルしながらでもパスを出せる、こっち側でもパスを出せるっていうので、ホッケーの試合を見ている中で一番多いストロークになります。プッシュなので、人にもよるんですけど、なかなか強い球を出せないので、ショートパスだったりとかというところで多く使われます。

スティックワーク⑤ スクープ

スクープは危なくなければ相手の上を簡単に越して味方につなぐっていう方法で、プッシュの延長線上でスティックを少し上に向けて、下からボールをすくい上げるようにして上げるストロークになります。これはかなり最近では多く使われるスキルになります。

上げるのもかなり難しくて、この細い面でしっかりとボールをキャッチして上げることが必要なので、かなり高度なスキルにはなります。

スティックワーク⑥ ドラッグフリック

ドラッグフリックっていうストロークがあるんですけれども、ペナルティコーナーのシュートでホッケー特有のプレーになります。ペナルティコーナーではヒットとこのドラッグフリックっていうのがメインになるんですけど、ヒットは振りかぶって思い切り打つので危ない。ホッケーゴールの「ボード」があるんですけど、ボード上(ボードの高さ以下)じゃないとゴールが認められない。でもドラッグフリックに関しては「打たない」ので、ボールを「押す」っていう行為になるので、相手にさえ当たらなければどこでもゴール(に入れば得点)になる。

プッシュはそのまま点でこう出せばいいんですけど、ドラッグフリックはボールを引っ張って(ドラッグ)きてから、スティックの面を滑らせて、最後思い切って打つっていうのがドラッグフリックで、これでゴールの枠の中に100キロから120キロのストロークでゴールを決めるっていうシューターがいるんですけど、かなりハイレベルかつ特殊な選手がいるチームは強いと思います。

スティックワーク⑦ リバースヒット

リバースヒットっていう、こっちはフォア側、リバース側ってホッケーでは言うんですけど、このリバースっていうテクニックに関してはここのエッジっていうんですけど、ここを使って打つっていう技術があって、これはかなり高度なテクニックで、FWの選手なんかはシュートを打つときにこう打つシーンが結構多いかなっていう風に思います。

こっちはかなり難しいスキルになるっていう風に思います。

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