ホッケー観るなら“サークル”をみる!(その7)

ホッケー観るなら“サークル”をみる!(その7)

YouTubeチャンネルにアップロードした「ホッケー観るなら、“サークル”を見る!」⑨−1から3の統合版「ホッケー豆知識」です。

ホッケー編⑥では、ホッケー特有のペナルティコーナーについて学びました。

今回は、公益社団法人日本ホッケー協会ご協力の下、男子ホッケー日本代表チーム(サムライジャパン)前・コーチの山下 学さんにホッケーに関する豆知識を教えていただきました。山下さんは東京2020大会にキャプテンとして出場された方で、現在現役に復帰されて再び日本代表として活躍されています。

本動画作成にあたっては、日本ホッケー協会の皆様、特にサムライジャパンの髙橋 章ヘッドコーチには多大なるお力添えを頂戴しました。厚く御礼申し上げます。

パート⑨−1 ホッケーの面白さ

劇的な試合

リオ(デ・ジャネイロ)オリンピックの準々決勝か準決勝ニュージーランドとドイツの試合で、ニュージーランドが勝ってたんですよ。で残り(時間が)もう1分(も)無い状況でドイツが追いついたんですよ。で残り何十秒でリスタートになったんですよね。で残りゼロ秒か1秒ぐらいでタッチシュートで逆転(して)ドイツが勝ったっていう試合があったんですけど、結構これ残り数分で同点にして勝ち越すみたいな。

それはなんかここ最近で言ったら一番驚いた試合かなっていう風に思いますね。

ホッケー強豪国

安定して強い(国)っていうのはオーストラリアだったりとか、ヨーロッパ(の国)は強いんですけど、まあインドも強い。パキスタン(と)韓国は少しちょっと落ちてきた気がするんですけど。オランダ、ドイツ、のあとはベルギー、スペイン、イギリスはまあ安定して強いというか。それでもイギリスもロンドンオリンピックがあった関係でちょっと強くなったかなっていうような印象を感じてて。

でベルギーは世界ランキング2位だったりとかするんですけど、やっぱりそのチームに関しては(サムライジャパンの)髙橋ヘッドコーチ(HC)が現役の時には、日本が(ベルギーに)負けたことがないっていう風におっしゃっていたんで。そう考えると髙橋HCが現役の時から比べるともう10年20年でもう(世界の)トップまで来てるんで。

結局はやっぱり(その国のホッケー)協会がどれだけしっかりしてるかって。ベルギーも(ホッケー)協会がしっかりして。で指導者の育成だったり色々やってやっぱり強くなってる。でオーストラリア(や)オランダとかもやっぱり、よくよく聞くとやっぱりジュニア世代からしっかりと育成っていう(ことを)されてて。やっぱり育成が上手くいってる国はやっぱり強いかなっていう風に思います。

Q:男子が強い国は女子も強いことが多いのでしょうか?

大体そうですね。インドなんかは逆に女子(チームが)なかったんです。あったんですけど多分弱かったみたいな。でもここ数年インド(では)男子(チーム)が強くなってきて、女子(チーム)も強くなってきた。

でベルギーも一緒でベルギーの男子も弱かった(し)、女子も弱かったですけど、今ベルギー(の男子)が強くなってきて(一緒に)女子も強くなってきた。まあ大体男子(が)強いところは女子も割と強い。アルゼンチンもそうだし…強いですね。

番狂せ

Q:ホッケーではいわゆる「番狂せ」はよく起こるのでしょうか?

1試合1試合だったら(番狂せは)あると思います。その(大会の)結果で言ったらあんまり下位のチームが優勝するってことはあんまりないんですけど、そのグループリーグだったりとかでめちゃくちゃ強いところに引き分けとか勝ったりとか、そういった番狂せは起きやすいと思います。それこそ僕たちが東京オリンピックで2点最初に入れられて、けど前半で3対2までひっくり返したみたいな。そういった弱いチームの方がリードするっていうのは割とあったりしますね。

大学生の1位(のチーム)と社会人の4位(のチームの対戦)だったら、普通に考えたら大学生の1位(のチーム)が勝つんですけど、やっぱり(社会人のチームが)守って、守って、守ってってなると、確かに1(対)0で社会人(の4位のチーム)が勝つ(こと)は確かにあるんで、そういった面ではやっぱりホッケー(には)番狂せ(は)ありますね。

パート⑨−2 ホッケーチームの舞台裏

カギとなるポジション

ミッドフィールダー(MF)がキーになるかなと思ってて。MFが機能しないチームっていうのは、やっぱりロングボールが多いんですよね。後ろからフォワード(FW)、後ろからFWで攻めると、単調な攻撃になって。ロングボールってボール(が)来るまでに時間がかかるんで、読みやすいんですよね。後ろにはディフェンス(DF)1枚、相手のFWが1枚、(さらに守備には)スイーパーがいるんで割と守りやすい。

けどやっぱり中盤を経由して崩してくと(攻守の人数が)同数(になる)、もしくはさらに(攻撃の選手が)抜けてこられると守備はやりづらいと思います。そういった意味では攻撃のポイントとしてはMF。

守備に関してはやっぱりスイーパーはもちろんそうなんですけど、FWの守備力っていうのが意外にキーになったりとかするんですけど。やっぱりFWの選手がハードワークして、相手のDFからいいボールを前に運ばせないっていうことをするチームはやっぱりすごくいいチームというか、簡単にボールを奪えて、後ろの選手がボールを奪いやすくなってるので、意外にFWの守備力っていうのがキーになったりとかしますね。

試合中のスカウティング

割と高いところで見ると見やすいですね、ホッケーは。

ちょっと細かいところは見づらいんですけど、全体の流れっていうのは結構見やすいんで、ベンチの中から平面で見る景色と俯瞰して上から見る、でゲームの相手のポジションの確認とかするっていうところでは、スタッフ間で見方の分担をして(確認作業を)やってたりしますね。それで相手が自分たちが立てたゲームプランに対して合ってるのか、こういうフォーメーションで来てるとかっていうのを密にコミュニケーションをとって、試合を進めていくっていうこともやってます。

日本だとあんまり上からの指示っていうのはあんまりないかもしれないんですけど、国際ゲームでは実はヘッドコーチ(HC)が上にいて、でコーチとHCがヘッドホンで会話して、選手に伝えてっていうのはありますね。場合によっては自分たちの後ろから、DF側から見たければ一番角(から見る)。攻守(が)替われば見方も変えたりとか。

難しいのはヘッドホンで言葉(で指示を)言われても、本当にそれがそういう風に(選手に)伝えられてるのかどうかっていうのは、本当にコミュニケーションを取っていないと難しいので、そこはかなり高度な技術が要るんじゃないかなっていう風に思ってます。

パート⑨−3 ホッケーへの思い

東京2020大会

やっぱり日本で(大会が)できるって、食事もそうですけど環境もやっぱり全然違うんで。で応援してくれるボランティアの人も日本人だし、そういった意味で(東京2020は)無観客だったんですけど、その応援されてるっていうのは日本人ならではっていうか応援してくれる人が。まあ他の国も(応援)してますけど、(応援されていることを)感じられたところかなっいう風に思ってますね。

僕らが(競技場に)着いてボランティアの方々が並んで「頑張ってね」って。もうすごいですよね。本当だったら、本当だったらやっぱり(自国開催でないので)やってもらえないと思うんですけど、やっぱり日本人、日本のスタッフ(が)いて、僕たちをこう気持ちよく(送り)出してくれるというか、すごく助かりましたね。

ただ(競技場に)来て、誰も応援されずに行くのとはやっぱり正直違ってたっていうのは、正直あってよかったかなっていう風に思いますね。ホテルでの過ごし方も多分全然違うし、食事もそうだし、なによりやっぱり(試合を)見てもらう(ことができる)。やっぱり自分の例えば恩師だったりとか、彼女、奥さんだったり、子どもたちだったり、知ってる人が見に来てくれたりとか、相当力になると思うんですよね。

まあもちろん緊張する人もいると思うんですけど。よりやっぱりホッケー(のためになると思う)、それが恩返しかなと思ってて。(東京2020に)出て、まあ1勝もできなかったんですけど。

まあ周りではやっぱり「良かったね」って、「ありがとう」って言ってくれる人もいるんですけど、(国内での)ホッケー(の発展のことを)考えるとまだまだかなっていう風に思うんで。それがちょっと強いですね、僕の中では。ちょっと申し訳ないっていうか、勝てなくて。

勝てる試合で勝てなかったとか、ターニングポイントのところで落としてるとか(っていう)のは正直感じてますね。全く通用しなかったとは思ってないですね。逆に「えっ(世界との差は)こんなもんか」(全試合に)負けたんですけど思ってました。そういう(思いの)選手多いかなと思ってて。

それこそ僕の同級生で田中健太って、(東京2020)オリンピックでフィールドゴール(数)トップの選手(が)いるんですけど日本人で。

でその選手(は)オランダでやってたんですけど、トップチームで。まあそういう選手がやっぱり結果を残すと、やっぱり日本のホッケー(選手)って、じゃあ海外(のチームに)行ったらもっとこんなのもできるんじゃないのと。オランダのトップ(チーム)でプレーすればっていう選手が出てきてるんですよね今も。やっぱり海外いく選手、(海外)志向(の選手が)多くて、そういったのもすごく、まあある意味良かったかなと思いますよね。

ホッケーのココを見て!

ホッケーって結構難しい。スティックを扱って難しいんですけど、でも結構ドリブルのスキルとかってかなり高度化されてて、見てる方も面白いと思うんですよね。どうやって(相手を)抜いたんだろうみたいな。

でも実はホッケー通からしてみたら、やっぱり(ボールを)止めて出すまでが早かったりとか、相手に(ボールに)触れられずに抜いていったりとか、あとは(試合の)組み立て方が上手とかっていうのも。なんか意外に見てたらこの選手、周り見てるなとかっていうのがあったりするので、そういった一人一人の選手の特徴とか(を)見てもらうと、よりホッケーが面白く見えるかなっていう風に思います。

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