YouTubeチャンネルにアップロードした「カーリング観るなら、“FESRAIN”を見る!」⑨-1と2の統合版「石」です。
カーリング編⑧ではカーリングのアイスコンディションの意味について学びました。
今回も、2002年にアメリカ・ソルトレークシティで開催された第19回オリンピック冬季競技大会に、カーリングの日本代表として出場された松沢美香さんに、カーリングで使われる石について教えていただきました。
カーリング選手がどのように考えて競技をしているのかがわかってくると思います。
パート⑨−1 石の割り当て
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カーリングのストーン(石)は大体約20kgくらい1個ですね。重さは(どの石も)ほぼほぼ同じなんですけれども、天然の石を使っているということで誤差があります。
で(各チーム)8投あるうち同じような石を1人(の選手が)が投げていくっていうのが、同じショットをしていくには非常にやりやすい石になってくるんですが。これをじゃあどういう風に(各選手が投げる)石を決めていくのかっていうと、まずですねどれくらい同じくらいで滑るのか、どれくらい曲がるのかっていうのを揃えていくっていう必要があるんですけれども。
大体ですね(石が)8個あったらある程度はもちろん揃ってはいます。同じような曲がり幅で、同じような進み具合なんですけれども。稀にこういう風に普通に投げたらこのくらいの曲がり幅があるよっていう石も、なんか異常に曲がっちゃう(石があったり)とか。
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なのでなるべく同じ曲がりをして同じようなところに止まった(2つの)石をセットで使っていきます。なおかつあまり癖がなさそうな、滑りも良さそうな、一番いい(石の)セットをスキップが投げるようにします。
なので例えばこのなんか揃ってない、この2つ(の石)っていうのがリードに回ってくる可能性があるので、じゃあリードは1個はすごく曲がる石、もう1個はなんか他(の石)よりもちょっと滑る石。この2つ(の石)を例えば同じように、じゃあガードが欲しいよ、同じようにガードが欲しいよっていった時に、2個揃えて投げられるっていうのは、実はすごいいろんなことを考えながら投げなきゃいけないので、リードは割と(滑り方が)揃ってない石を(使って)同じようにセンターガードをするっていうのは、かなり難しくなってくるのかなという風に思います。
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もちろん(滑り方が)揃っている石を(スキップに)選んだはずなのに、試合(を)していく中で、確かに(滑り方が同じ石を)揃えたはずだけど、なんか(もう1つの石に比べて)曲がりちょっとないよねとか、変に曲がるよねとか、変に伸びるねっていう風になった場合は、石を交換したりします。例えばリード(の石)は揃っていないので、セカンドの2つ(の石)と交代したり。
なので石によってやっぱりショットが決まるか、決まらないかっていうのが出てくるのが事実なので。予選はそこ(のシート)にセットされた石をそのまま使って。大会ですね、同じシートで(試合を)やっても、違う石の色を投げるように(大会側から)指定されているのですが、プレーオフなんかになるとどこのシートのこの(色の)石っていうようなのを実はチョイスできます。
なのでより(滑り方が)揃った石でプレーすることができます。で例えば(予選の)1位上がり(のチーム)と4位上がり(のチーム)とかが試合するとなると、1位上がりの(チームの)方が先に石をチョイスできる権利があったりするので、予選をしっかりと上位で勝ち上がるっていうのは、石が選べるっていうところでも非常に大事になってきます。
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Q:リードに揃った石を投げさせることもあるのですか?
あると思います。チームの考え方(次第)だと思います。
ただセカンドがちょっとそれこそ(滑り方が)揃ってない石を投げてても、セカンドは割とテイク(アウトショット)だったり、速いの(ショットを)投げるんだったら、そこまで曲がり(のコントロールが必要)ないんだったら、その分だけちょっと幅とってテイク(アウトショットを)投げればいいかなとか。
2つ(の石の滑り方が)揃ってないので、例えばこっち(の石)が曲がりやすいとかっていうのであれば、より(石を)曲げたいようなショットがあったら、こっち(の石を)先に投げたりとか、(石を)投げる順番(を)変えたりっていうのはあります。
パート⑨−2 ナイトプラクティス
同じようなスピードで投げてもちょっと進んじゃう(石がある)。進んじゃうっていうの(を判断するために)は、同じ速さで投げるっていう技術が必要なんですが、(石を)同じ速さで投げてどこまで進んで、どこまで曲がるのかっていうのをまず比べなきゃいけないんですね。
それを実は5番目の チームの5番目、フィフスって呼ばれる人が、大会とかに行くとナイトプラクティス、夜のうちに石を揃えるっていう作業をするんですが、その方法としてはですね、同じ場所に向かってできるだけ同じ速さで、何投も同じように投げていきますこういう風に。こういう風にですね。
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これのデータを取ります。例えばこういう風になったり、こういう風になったり。はい。例えばこんな風に(石の)速さはある程度同じでもちろん投げているんですが、例えば1つすごく曲がる石があったり、例えば1つあまり曲がらない石があったり。
Q:何投も同じ速さで正確に石を投げ続けるのは大変な作業ですね?
その通りです。なので実はちょっと(投げた石の)スピードが違ったりしても、このホッグラインとホッグラインの間の速さと、あとこっちから投げた(として)今度バックラインとホッグラインの(間の)この速さっていうのを実は測って(いて)。ここで勢いついてここで同じように放してあげると、(石は)同じに(進んで)いくはずなので。ここ(の間がポイント)なんですね、要は。
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ここの長さをいかに同じような蹴りで投げて、同じように放せるかっていうのが大事なので、ここの長さ(にかかる時間)を揃えて投げる時に測るんですよ。なので多少(石を投げる速さが)違っても、あ今ちょっとここのスピード(が)速かったから、ちょっと(石が)奥まで行ってるね、っていう判断ができるんですよね。
なのでここ(にかかる時間)を測ることによって、ちょっとここが違ったとしても、あぁじゃあこれとこれ(の石は)揃ってるね、とかっていう判断ができます。ただそれを何回かやって本当に(石の滑り方が)揃ってるのかみたいなのを確かめるっていうのがナイトプラクティスです。
Q:ナイトプラクティスは何分くらいかけられるのですか?
10分とかそのくらいなんです。そんなに長くはないはずので。全部大会(のその日の試合)が終わってからやるので。なので割と短い中で(揃える)。30分あるかなぁ。
短い中で(揃える作業を)やらなきゃいけないから、(シートを)行ったり来たりしながら。しかもアイスが結局あれじゃないですか。ちょっとペブルがなかったり。(その日の)試合(が全て)終わった後に(ナイトプラクティスを)やるので。
だからそれもちょっと見極めつつ、同じように(石を)投げつつ(行うのがナイトプラクティス)です。
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