バレーボール観るなら「メンタル」を見る!(その6)

バレーボール観るなら「メンタル」を見る!(その6)

YouTubeチャンネルにアップロードした「バレーボール観るなら、メンタルを見る!」⑥ー1から3の統合版「セッターとリベロ」です。

バレーボール編⑤では、バレーボールのローテーションとポジションについて学びました。

今回も、全日本男子バレーボールチーム監督や(公財)日本バレーボール協会の女子強化委員長などを歴任され、現在(撮影時)は大同生命SV.LEAGUE WOMENに所属するPFUブルーキャッツ石川かほくのGMでいらっしゃる寺廻太さんにバレーボールで重要なセッターとリベロについて伺いました。

ぜひ観戦の際に参考にしていただければと思います。

パート⑥-1 チームの要

もう本当にやっぱりセッターは本当にそのチームの要。もちろんミドルブロッカー(MB)はMBでブロックの要。オポ(ジット=OP)はもう本当に打ち屋。パスヒッター(=アウトサイドヒッター=OH)はサーブ(を受ける)。みんな重要なんですよ。

でもその(みんなが)重要な中でもやっぱり、そこをやっぱり誰をチョイスして(トスを)上げるかっていうのは(重要)。それで(試合の)勝敗は決まると思いますよ。

Q:セッター(S)の考えとしてはアタックが決まっている選手とブロックが間に合わない選手のどちらにトスを上げるのですか?

いやそれを選択するのがSなんですよ。だから(相手のブロックが)2枚付こうが(そのアタッカーにトスを)上げるのもいいんです。

で反対にこっち(にトスが)行ったらもうノーブロックか1枚ぐらいになるのに、そっち(にトスが)行かないで、こっち(にトスを)上げるのも、じゃあ不正解かって言ったら不正解でもないんですよ。だから何をチョイスして(重要なのは)結果なんですよね、それ。

ということは(Sは)より打ちやすい球(=トス)を配給しなきゃいけないだろうし。だからSっていうのはやっぱりチームの要ですね。やっぱりいいS(を)持ってるところ(=チーム)は強いですよ。で日本が(パリオリンピックで)あそこまでできたのは、関田(誠大選手)とやっぱり岩崎(こよみ選手)がいる。

※関田誠大選手・岩崎こよみ選手:いずれもパリオリンピックに出場した男女日本代表のセッター

それは大きいと思いますね。で今、今回(=パリオリンピックで)だいぶ日本(代表)の男女とも(が)頑張ってくれたおかげで、バレーボール(の人気が)ちょっと上向きになってきてると思うんですよ。だからここをチャンスとして、日本のバレー(ボールの人気)が勢いづいてくれるとすごく嬉しいなあっていう(風に)、今本当に本気で思っていますね。

僕はSではなかったんですね、現役時代。でもずっとバレーボールを見てるとそのSの特徴。例えば関田(選手)の特徴。で岩崎(選手)の何しようとしてるか。

大体わかってくるんですよ。でこれは素人さんでもこれわかってくると思うんですよ。ずっと(バレーボールを)見て。好きで見ていると。ああ次(のトス)はここ(に)行くんだろうなって思って(バレーボールを見る)。(予想が)外れてもいいんですよ。なんかこうそういう風な目で(バレーボールを)見てて、(バレーボールを)見てると、やっぱりより(バレーボールを)楽しめる。

もうSはもちろんこれはチームの本当にコントロールをする人ですから。だからSの重要性、サーブ(の重要性)、レセプションの重要性。この3つは僕は外せないと思ってますね、バレーボールに。

パート⑥-2 セッターの資質

Q:日本のセッター(S)は相対的に身長が低い選手が多いのはなぜでしょうか?

(身長が)低い方が(トスが)上手い子(=選手)が多いのかな。極端なことを言ったら、女子だったら(身長)180cm以上(の選手が)いて、すごくこう上手く小さい頃から(上手いトスが)できたよねっていう子(=選手)は少ないかもしれないですね。だから絶対数が高身長(の選手)がいないので。

いやあ低いの(S)はダメよ。もうちょっと高い(Sの)方がいいよって言うけど、やっぱり(Sの身長が)低くてもいいトスを上げる方が、(Sの)ブロックが低くて、そこから上から(相手に)打たれるって言っても、どちらが勝つかって言ったらやっぱりね、やっぱりいいトスを上げ続ける方が強い(Sな)んですよ。極端に言えば早くから高身長ですごくパスが上手い子がいれば最高だと思いますね。

でSってやっぱりね、急に上手くなるって言うよりも天才型の方が多いですよね。この子(選手)努力して本当に上手くなって、ナショナルチームでこんなに上手くなったんだ…っていうSを僕はあまり知らないですね。

Q:いいSとはどういうSだと思われますか?

視野が広い。で相手(の)心理が読める。でこのミドルブロッカー(MB)はこういう癖があるとか。自分がちょっとこう(トスを上げるのを)溜めたら、ここに位置どりを(変えずに)そのままにしてるとか、そういうことを。

ただ(トスを)上げてるんじゃなくて、相手が。相手の状況が、この選手の特徴とか、いろんなことを考えながら(トスを)上げられる。だからもうSぐらい頭使って、技術使って(プレーを)やってるポジションはないですよ、バレーボールの中で。

パート⑥-3 リベロ

Q:日本にはリベロ(L)以外でもレシーブがいい選手が多いと感じますが?

リベロ(L)以外でもやっぱりディフェンスのいい選手は多いですよ。

Q:そのような状況でのLの重要度をどうお考えですか?

もうL、いいLがいるチームは強いですね。もう(Lは)レシーブに特化して。

Q:それはやはりディフェンス力が上がるからですか?

格段に上がります。

Q:「格段に」ですか?

格段に上がります。

Q:それだけLのディフェンス力が交代する選手より遥かにいいということですか?

遥かに良くないとLになれないですから、そもそも。そもそもがもう(Lは)レシーブに特化して、ディフェンスとサーブレシーブがいい選手しかLにはなれないですから。(Lが)いる(のと)いない(のと)では大違いです。バレー(ボール)が変わりましたよね、Lで。極端に言ったら。

Q:レセプションとディグでLを併用しているケースを目にしますがどのような意図なのでしょうか?

得手不得手があるんですよ。(レセプションもディグも)両方できれば一番いいんです。レセプションLっていってもディグもする訳じゃないですか。

だからレセプションもいいディグもいいっていうの(=L)がもちろんいいですよ。両方が上手い(Lの)選手を代える必要はない。

あと体力的にちょっときついんだったら代える必要はあるけど、やっぱり両方いい(Lがいる)んだったら、やっぱり両方いい選手を使った方が私はいいと思います。このLはディグはいいけどサーブレシーブはそこそこなんだけど、こいつ(別のL)の方がサーブレシーブはいいよなっていう。でどっち(のL)を選ぶかなっていう時に、まあ(Lの併用を)決めるぐらいなんでしょうね。

Q:「それを取るか!」というような派手なレシーブはチームが盛り上がるような印象がありますがどう考えられますか?

今のバレー(ボール)の中で「それ取るか!」っていう(状況という)のは、結局ちょっとイレギュラーなボールですから。だから大体(ディグなどで)上がっているボールって、基本的に手が届く(位置に来た)ボールだけなんですよ。

あとは吹っ飛んでいくやつ(=ボール)を追いかけて取って、ファインプレーにするっていうぐらいだから。だから自分の手の内にあるやつ(=ボール)を如何にコントロールできるっていうのがLの良し悪しなんでしょうね。

Q:そうすると派手なプレーを狙っている訳ではないのですね?

決してそういう風に(=派手に)見せようと思ってるんではなくて、そうなってるっていう(プレー)。だから床際(のボール)が強い奴(=選手)って派手に見えるし。

だから反対に全然(派手でなくてもディグなどを多く)上げる奴(=選手)なんて地味だけど、ああ結構(ディグなどを)上げるねっていうの(=選手)はポジショニングが良かったり。まあ色々理由はあるんでしょうけど、基本的にLはもうレシーブの専門だから。

基本的にもう(Lは)レシーブに特化してる選手だから。もう(ディグなどを)「上げてナンボ」ですからね。

Q:それができる選手でないとLは務まらない訳ですね?

そうです。そうです。もうこれはもう。Lはもう必ずやっぱりレシーブは「上げてナンボ」ですから。やっぱり(レシーブに)特化してない(Lの)選手はどこのチームも採らないんじゃないかな。やっぱりLの選手上手いですよ、やっぱりレシーブが。

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