YouTubeチャンネルにアップロードした「バレーボール観るなら、メンタルを見る!」①ー1と2の統合版「バレーボールの仕組み」です。
みなさんもオリンピックなどでバレーボールの中継などを目にする機会は多いと思います。
今回は、全日本男子バレーボールチーム監督や(公財)日本バレーボール協会の女子強化委員長などを歴任され、現在(撮影時)は大同生命SV.LEAGUE WOMENに所属するPFUブルーキャッツ石川かほくのGMでいらっしゃる寺廻太さんにバレーボール選手がどのように競技をしているのかを伺いました。
ぜひ観戦の際に参考にしていただければと思います。
パート①−1 バレーボールの仕組み(前編)
PFUブルーキャッツのGMをやっています寺廻です。今回はバレーボールについてですね、いろいろ話してみたいと思いますのでぜひご視聴ください。よろしくお願いします。
バレーボールの基本
Q:バレーボールの試合における基本的な考え方を教えていただけますか?
基本的にはどっち(のチーム)がサーブを打っても点数が入ると(いうことです)。だからずっとサイドアウトっていうか、サーブレシーブからの攻撃を決めると必ず点数が入る。だからお互いにサイドアウトを繰り返すと点差はつかないと。
っていうことで(試合に)勝つにはどうしてもブレイクポイントっていう、要するに自分たちが(打った)サーブからのブレイクしてポイントを取るっていうのが勝利への必ずやらなきゃいけないことですので、サイドアウトをともかく取る。でなおかつ(自分たちの)サーブからのブレイクポイントを取るっていうのが勝敗の行方を決めるっていうのが、今のバレーボールの仕組みになっていますので。
そこでやっぱり注目されるのはやっぱり最初のファーストコンタクトのサーブ。で守備側で言えばレセプションですよね。
サーブレシーブが非常に、この二つが非常に重要になってくるので。でその二つっていうのは、非常に試合の流れを左右することにもなりますね
Q:ブレイクを狙うために重要なポイントは何ですか?
特に男子バレーに関して言えることっていうのは、セッター(S)にAパスっていう、要するにSがあまり動かないでいい状態でパスをできるような状況になると相手の攻撃はかなり高い確率で、6割7割くらいの確率でサイドアウトを取ってきますので、いかにSがいい状態でない、BパスCパスっていうか、(相手が)崩れるようなサーブを打つかっていうのはすごく重要になってきます。
でそこでやっぱりちょっとリスクを負ってもジャンプサーブを強く打って、相手を崩しにいくっていうのが今のトレンドになってると思いますね。
Q:セッターへの返球が乱れるとサイドアウトの確率が下がるのは、相手の攻撃の選択肢が減るからでしょうか?
そうですね 基本的にはもちろん崩れたところからのクイックっていうのもありますけど、崩れたところからのクイックっていうのはやっぱり時間がかかりますんで、それだけブロックにつきやすいっていうことになりますので。だから基本的にサーブレシーブが崩れるイコールサーブ側はブレイクする確率が増えるって考えていただいて、数字的にもそうなってきていますので、それで間違いないと思います。
Q:つまりサーブでレシーブを崩すことでブロックにつきやすくなるとどういうメリットが生まれるのですか?
ブロックが揃う。ブロックが揃うことによってディフェンスの位置取りがはっきりするんですね。(相手の攻撃のコースが)絞られるんで。
そうなるとブロックにやっぱりしっかり飛べる。ワンタッチなりシャット、キルブロックっていう相手に対してポイントできる確率が上がる。なおかつレシーブするチャンスも増えてくるっていうことで、要するにブレイクポイントが(取れる)確率が上がってくると。
Q:相手に得点をさせなければ自分たちの攻撃の機会になる訳ですね
そういうことですね。
Q:ブロックの枚数についてはどうお考えなのでしょうか?
ブロックの枚数ってできれば2段トスなんかは(ブロックが)3枚飛んだ方が僕はブロックできる(確率)、あとレシーブできる確率が上がってくるので、やっぱりよりブロックが有効的になるためにもやはりサーブの重要性っていうのがすごく、やっぱり後回しにはできない。
やっぱりブロックとディフェンスの関係ってすごくバレーボールにとっては重要で。それは(バレーボールを)見てて、ああなぜ(レシーブが上がったのかなって言ったら、やっぱりブロックがちゃんとついて、前衛のレフト側の選手が開けて、(相手が)インナーに打ったボールをディフェンスできる。そういう余裕もやっぱりサーブレシーブが崩れる、パスが崩れることによって確率が上がってくるんですね。
パート①−2 バレーボールの仕組み(後編)
Q:相手の攻撃に時間をかけさせることが重要ですね?
特に日本の男子バレーってやっぱり上背が、身長が欧米諸国と比べても南米とか(の国)に比べてもすごくやっぱり見劣りするぐらい低いですから、その分やっぱり速さを追求して相手のブロックがつかないように(する)っていう形で、パス(の精度)が生命線になってきたり。だからその意味では(パスが)崩れた時にどう対処するかっていうのが大事なんですよ。
基本的にはやっぱり(相手の)パスを崩す。でやっぱり(ブロックの)枚数がちゃんと(揃うようにする)。やっぱり(ブロックが)1枚とかノーブロックになったらほとんど(攻撃は)決まりますんで。これは女子も一緒ですけど。
だから的確に相手がレフト(からの攻撃)で(自分たちのブロックが)2枚ついた時に、相手の状況に応じてディフェンスラインを引いたりっていうのがいち早くできないと、スパイクのスピードもありますから。だからもう、大抵こう、ディフェンスできる確率が上がるっていうのは、まず相手がヒットする段階で大体想像はつきますよね。
(ディグが)上がる上がらないかは別にしても(ディグが)上がる確率がすごく高くなっているっていう状態っていうのは作れると思いますね。
Q:逆にその状態を作れないと相手の攻撃は止められないということですか?
そうですね。やっぱり(攻撃の)スピードが速いので。対応しきれなくなっちゃうんで、個人技だけでは。だから本当にトータルで考えると、やっぱりブロックとディフェンスの関係性をより緻密にやってるチームが強いことは確かですね間違いなく。
ただ漠然とブロックついて「レシーブ入れ」っていうのじゃなくて、この時だからここにちゃんとポジショニングとってっていうかそういう形が。相手が(スパイクを)打ってくる時に(ディフェンスの体制を整えて)待てるっていうのが、やっぱり(強いチームの)条件になってきますね。
Q:選手のポジショニングについては細かい指示が出ているのですか?
(指示が)出てるっていうか、試合前にもう全部ローテーションごとに、この選手は(ブロックが)1枚になったらここに(スパイクを)打つケースが多い。で(スパイクを)打った時に(ボールが)ここにくるとか。で(ブロックが)2枚ついた時にはこういうコースが多いから、じゃあブロックはストレート側を締めるとか、空けるとか。
そういう選手ごと、ローテーションごとに(どう対応するか)ミーティングするんですね、各チーム。だからもう(どう対応するかが)全部頭に入った上で試合を展開してるんですけど。ただ試合前にやったミーティングと違う攻撃だとか、いろんなことを、違うことをやる場合もあるわけですよ、試合によっては。
そうなると試合中に、今こうこうこう(いう約束事)だけどストレートを、このローテーションでレフト(にトスが)上がってあの選手の時はストレートを締めろって(試合前に)言ったけど、全部クロス(に)打ってるから(ブロックは)ストレート(を)空けてっていう指示も試合中に出さなきゃいけないっていう(ことです)。その試合中もデータがもうどんどん(アナリストから)入ってきますから。
だから今は本当にすごい各チームともデータに関してはよりスピード感もありますし。試合前の準備にしてもすごく細かく(分析を)やって、(選手もデータを)頭に入れて試合に臨んでいるっていうのが現状ですので。
だからそう平然とやっていかなきゃいけないバレーボーラーっていうのはやっぱり頭で考え、体で反応する。そういう意味で非常に高度な。今バレーボールの試合、特にトップレベル(の試合)になるとそういう凌ぎあいっていうか、データの騙し合いとか。そういうのもありますですね、(試合を)見ていたら。
Q:そうすると選手は状況に応じた微修正を瞬時に行なっている訳ですね?
そうそう。そういうことです。
だから(ブロックが)1枚になったから(ディフェンスの選手が)前につめるとか、だからその準備をいち早くする。であとデータも頭に入れる。今日の試合の特徴も頭に入れるっていう、そういうことを考えながら。あとはみんながやっているっていうことですよね。でベンチからも指示が出ると。
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